毎月、満月の夜に、一般壇信徒向けの仏教講座を開催しています。

仏教講座の由縁は、古式伝統の仏教行事、懺悔と受戒を意味する「布薩(ふさつ)」です。
元来、一ヶ月に一度巡ってくる満月の日に、お坊さん達は自分の修行の内容、心の中で思ったこと、実際の行動などを振り返り、反省していました。いわゆる僧侶達は満月の日に集合し、個々に反省を告白し、注意、罰則などを受け、ブッダの教えを勉強しなおす「自浄作用」機能があります。そういった機会を仏教専門用語では「布薩(ふさつ)」と呼びます。

布薩は、仏教僧のための僧侶限定の布薩と、一般壇信徒限定の布薩の2種類があります。僧侶限定の布薩では、お坊さん達がたくさん集合し、戒律の条項(227~250戒)を読み上げて反省します。一般壇信徒限定の布薩では、一般仏教徒向けの戒め「五戒(不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不飲酒)」または、八戒をお坊さんから授かります。これを授戒といいます。その後に、僧侶達から話を聞きながら自己反省を促され、と同時に「仏教法話」を聞いて、明日以降の日々を自分で豊かにするように自分を整えます。そんな時間の流れに、お釈迦様を供養したり、短時間でも瞑想をして心を落ち着かせ、寺からの粗飯を平等に食事を振るまったり・受けたり、お坊さんと個別に話しをしたり、寺掃除、寺で集った人々と交流懇談したりします。

皆違う性格をもち、違う生活環境がありますが、この時ばかりは、皆同じ話とおなじ方向性を向いて、お釈迦様、弘法大師さん、仏教の教え、お坊さん達に信仰を寄せて集います。気難しい感じがするようなイメージがありますが、とても明るくて、皆気楽な気持ちで集います。清浄な気持ちを求めて、みな身なりを整えてきますので、むしろ居心地がよく、楽しい時間になります。
お釈迦様、お寺、お坊さん達を大事にしよう。敬おう。普段は自分の時間でも、この時、この場だけは神聖な場所。その気持ちがあるため、誰が中心に、どこに気持ちが向いているのかがはっきりしている場所は、とても居心地がいいものです。家族連れ、夫婦、恋人同士、友達同士、独り。それぞれの事情でも、何も気にすることなく来ることができます。
こんな布薩では、仏教用語として、「比丘」「優婆塞(うばそく)」「優婆夷(うばい」)「僧伽」「発露懺悔」「波羅提木叉」「平等行食」「授戒」「供養」「布施」など、様々な専門用語が出てくる機会でもあります。

興法精舎では平成22年の2月から、一般壇信徒向けの布薩を満月の日に「満月会(まんげつえ)」と題して開催しています。
2018年度中には100回目を迎えるほど長く行っております。
開催時刻に関して、本来の意味では、午前中から夕方までが相応しいですが、日本では満月日は休日ではないので、仕事を終えたり、学校が終えた後に来やすい時刻。通常は夜7時から開催しています。所要時間は、おおよそ、1時間ほどです。

お釈迦様、弘法大師のこと、仏教全般から、真言密教に関することなど、様々な仏教学を毎月テーマを変えて法話しています。


◎「僧坊食堂」で平等食事
お寺では、講義の後、「けんちん汁」を中心に、粗飯を用意しています。
賓頭盧尊者、阿羅漢尊者、大黒天、三宝荒神さんへ供養し、施食の理念として、参拝者が手作りの品を持ち寄って互いに頂くことで、平等行食を体感してもらっています。
皆で楽しく、にこやかに、心を楽しませて過ごすことを第一として、施しをする・施しを受けることを実体験できます
真剣に、そして和やかに、ときに気持ち楽しく。一つでも学んで帰ろう。一つでも満足してもらうことを心がけて開催しています。

◆興法精舎 満月会 主な内容
開催~毎月・満月の夜
時刻~19時から(1時間半ほど)
内容~五戒授戒、十善戒受戒、懺悔、諸尊供養、仏教法話、祈願
※法話内容は、時に写仏や写経もあります