【食事付き法要の日】
昔から、どこのお寺でも、法要の日にお寺を参りすると、お参りの前後に、檀家のお母さん達が作ったご飯が振る舞われていました。それを「御接待」とか「お斎（とき）」といいます。
「豆腐の味噌汁とご飯」「漬物と紅ショウガのはいった五目ご飯」など食べたことある方もいらっしゃると思います。
「うちの爺ちゃんは、お寺で一杯飲んで、和尚とグデグデに飲んでたな～」なんて懐かしい思い出もある方もいませんか。興法精舎の親寺である眞弘寺には、そんな楽しくて愉快な、檀家のお父さん達がたくさんいらっしゃいました。
興法精舎では、そんな昔からの、お寺参りの習慣を、檀家さんや、信仰する宗教など関係なく、どなたでも、ワクワクな気持ちで、お参りできるように、食事は、スリランカ式のカレーと、精進けんちん汁を作っています。
現在は、主に「友引」の日や、各種「縁日」の日を「食事付き法要の日」と決め、お参りとスリランカカレーや、けんちん汁で、お寺で過ごす時間を楽しんでいただいています。
【「15分間法要」でお参り】
食事前には毎回、11時15分から、「15分間法要」の時間を設けています。「15分間法要」に間に合わない時間に来られた方も、食事前には必ず講堂で手を合わせてもらっています。
興法精舎の講堂には仏教を開かれた「お釈迦様」、独特な修行方法を伝える『密教』を日本に伝えた「弘法大師空海」、お釈迦様の偉大な覚りの力を表現した「五大明王」、密教の教えを描写で表現した「曼荼羅」をお祀りしています。食堂には修行して覚った僧侶の代表者として「阿羅漢（あらかん）」。厨房には興法精舎の守り神「三宝荒神と大黒天」。トイレには煩悩を洗い流す力がある仏の「うすさま明王」をお祀りしています。これら、お釈迦様達を一カ所で拝めるよう、講堂に参拝者用の祭壇がありますので、手を合わせて「お参り」をされてから、食事を召し上がってください。
心を込めて拝むことで、お祈りした願い事は通じて叶うものです。そんな効果、効能を仏教用語で「御利益（ごりやく）」と言います。心を込め、手を合わせて祈る「お参り」は、とても大切なことです。
なぜ15分間かって？それは、お腹ペコペコでお参りに来ているのに、お経の時間があまりにも長いと、飽きちゃうからです。
【スリランカの「お経」で】
スリランカでは法事の時には必ず「お釈迦様」や「お坊さん」達に、食事をお供えするための、特別なお経があります。古いインドの古典語「パーリ語」で、独特の音節で唱えるお経です。
このお経は、わかりやすく意味を言うとこうです。
「これらの食事を、私たち皆の徳と一緒にお釈迦様や、亡くなった方に供えし、私たち僧侶も受け取ります。私たち皆の祈る願いが届き、叶いますように。皆が、悩み苦しみなく、元気で、幸せでありますように」という感じです。
食事の前に行うお供えのためのお経は、スリランカでは法事で必ず行われ、広く浸透されています。一方、わが国の仏教では、修行中のお坊さん達が唱えるくらいで、一般にはほとんど知られていません。
わが国の仏教法事は、仏様達や亡くなった方に対して、たくさんお経を読むことが中心となっています。一方のスリランカ仏教の法事は、お経の説明をしながら、目的ごとにお経の内容を変え、居合わせた人々に対してお経を読むのが中心です。お経を読む向き合い方の違いに特徴があり、どちらもいいものです。
◎法要に間に合わない方
法要に、間に合わない方は、食事を用意している間に、必ず講堂でめいめいにお参りください。
◎通常の時間割
以下の時間帯で法要と食事接待を行ってます。
11：15～スリランカのお経で、供養の読経（パーリ語）
11：35～食事接待の開始
14：00～食事接待の終了
全ては、食事御接待付きの法要であります。どなた様も、気軽にぜひ、お参りください。
15分間法要では、供養と祈願を行っています。供養や、お祈りしたいことがありましたら、下記のフォームを参考に、ご自身でわかりやすくメモをしてご持参ください。15分間法要では、内容を読み上げ、供養、祈願いたします。
【食堂（じきどう）】
修行僧のための食堂。仏教用語で「じきどう」と呼びます。お坊さんの住まいを「僧坊（そうぼう）」や庫裡（くり）と呼びます。
興法精舎では、修行僧の「食堂」を常時一般の方が利用できるようにします。そこは、商用営業の喫茶でもなく食事処ではありません。商用施設ではありませんが、食堂を活用することで、一般の方々が僧侶と気軽に談話したり、相談事をしたり、単にお寺の休憩所としても活用してもらうことを常時利用の目的としています。お参りのついでにお茶で休憩し、互いにコミュニケーションを取れる場所になっています。
どなた様にも、お茶の御接待においても、必ず講堂でお参りください。仏教を広く、気軽に接していただくために、お参りと接待は一体です。どなた様におかれましても、必ずお参り願います。
【御接待の主な献立】
阿闍梨うどん
高野山で修行する僧侶は、肉魚を食べない生活で修行をします。高野山流の精進料理を、うどんで再現。阿闍梨（あじゃり）とは、具足戒という戒律を受けて5年経過したお坊さんを阿闍梨と呼び、更に10年経過すると和尚と呼びます。阿闍梨には「教師」「先生」などの意味を含み、それなりの仏教の知恵がついたお坊さんのことでもあります。そういった意味から、興法精舎では、お釈迦様の智恵の御利益から引用し「阿闍梨うどん」と名前をつけて提供しています。
スリランカ式カレー
インド洋に囲まれた島国であるスリランカは、古来より、肉食よりも海産物を好み、干し魚から旨味とたんぱく源を摂取しています。僧侶達の間では、托鉢の精神が根強くあり、頂いた物は、なんでも頂いてます。
そのため、現在でも肉・魚・魚介類と、食材に禁止なく頂いています。スリランカの僧侶達の食事を再現し、更に、檀家さんや近所の方々から施された食材を主として、日本人に食べやすく、また、スリランカ文化を体験できるカレーを調理しています。
日本の仏教寺院の多くは、暦の六曜術の関係上、友引の日は葬儀は行われていません。精舎では、友引の日に「友引カレーの日」と名付けて、一ヶ月に２度（第２、第４の友引）、スリランカカレーを提供しています。
