僧侶たちの知る智恵

仏教は、お釈迦様が、ご自分の人生に大いに悩み、苦しみ耐え、のたうちまわるほどもがいて、考えに考え、どうにもならないほど悩んだ末に、ご自身で解り得た、貴重な教えです。

お釈迦様以後の、弟子達、時代や人種を経て伝えられる大師ら、尊者達の智恵もまた、尊者達の、それぞれの人生で苦しみぬき、お釈迦様を慕って努力された末に得た智恵であります。

私、和尚の他、修行僧達は、文字や視覚で伝えられる情報では伝えきれない、高尚で、微細で、繊細な教えは、人間が語る言葉で伝えられています。

このことを「口伝(くでん)」と言いまして、文字や視覚で得る情報とは全く別の、最も重要なる教えであります。

修行僧たちは、高尚で、微細で、繊細なるお釈迦様の教えを聞いて理解するために、頭の中の情報、身につけるもの、人との繋がりや、行動する生活様式を軽快で、混乱しないように、最小限の範囲ある環境に身を投じます。このことを、出家(しゅっけ)といいます。

長い時間をかけて身と言葉と意識を整え、相応しい時がくれば、師匠ら尊者達は、弟子達にお釈迦様の教えの一部を解き明かしていきます。

そうであるがために、僧侶達がめいめいに理解し、得た智恵は、じつに高尚であり、有益であり、また功徳があるのです。

尊者達の伝える教えを語る日。

次回の仏教講座「満月会」は、6月24日(木)19時からです。

偉大なるお釈迦様、大師ら尊者達よ

ありがたや。