供養と三種の力

満月の仏教講座では、「供養」のお話をしました。

亡くなった親族のために、お供えものを用意して、手を合わせて、祈る人もたくさんいます。

供養は、亡くなった方だけではなく、現に生きている人のために供養することもできます。遠くに住まう人や、幸せを祈り届けたい人のための供養の祈りもあります。

供養することは、自分自身の気持ちを整理をしたり、時に自分自身を救うことにもなります。

例えば親が生きているときに「孝行できなかった」「死にめに会えなかった」「もっと優しくしてあげたらよかった」「ひどいことをしてしまった」「親に会いたい」などの気持ちを、供養することで、差し向けることができます。

私達僧侶は、人が気持ちを差し向けたい祈りの供養に、叶えるために、「言葉の力」を加えます。これを仏教の専門用語で、「法力(ほうりき)」とか「加持力(かじりき)」などと表現します。不思議な作用を発揮する、言葉の力と想像してもらうとわかりやすいかもしれません。

和尚や仲間の僧侶達は、過去の偉大な尊者達が伝えた供養の祈りの言葉を受け継いでいます。今になお受け継いでいるのは、その伝え受け継げられてる言葉に、本当に力があるからです。

僧侶自身の「個の徳の力」、尊者達が伝える言葉自体の力、供養をして祈りを伝えたい「個の人の力」の三つの力によって、供養が叶うものだと、和尚は信じています。

和尚は毎日、供養をしています。和尚が生きている間はずっと続きます。供養することを願い、和尚と本音で約束をして、和尚に託している人がいるからです。

まだ供養をすること接していない人や、お寺に馴染みのない方にも、祈る言葉の力を知ってもらいたい願いがあります。

和尚は、偉大なる尊者達が伝える「供養」を多くの人に伝えていきたいです。

【写真】お接待所から眺める景色はいいものです