10月30日(金) 19時~ 通常通り
【和尚からひと言】
満月の日は、「太陰暦」と「太陽暦」で計測基準が違います。太陰暦は「月」と「地球」の関係における公転が基準です。「太陽暦」は、「太陽」と「地球」の関係における公転が基準です。
南アジア圏のスリランカや、他のアジア圏各国では、月の満ち欠けを基準とする「太陰暦」を宗教行事に使用している場合が多くみられます。
私の調べでは、月の満ち欠けを「一周期(一ヶ月)」と計算する呼称は、「朔望月(さくぼうげつ)」と表現するそうです。その月の一周期、「朔望月(さくぼうげつ)」は、正確に数字で現すと、「29.6日前後」と計算するのだそうです。そのため、月の満ち欠けで計算する「太陰暦」は、現在世界中で基準値となっている1年を365日計算とする「グレゴリオ暦」(太陽暦)とは、日付けの計測方法が変わってくるのです。
暦上では、天体の動きである、月や太陽の天体の動きで計測をすると、数字上の「ズレ」が生じます。天体観測をし、日付けを数字で固定しても、どうしても生じる数字の「ズレ」を「閏(うるう)」と表現するのだそうです。
月の満ち欠けからは、海の「潮」の動きを示す「満潮」と「干潮」の時期を知ることができます。また、月の満ち欠けにおいて、月の明かりの関係や、月と地球の位置関係の視点からは、動物と植物の生命活動に及ぼす天文学的知見を意味する「影響」があるようです。たとえば、「磁場と磁力」「温度(気候気温)」「湿度」などが、影響の例と言えます。これは、宇宙天文学的な視点から天体の動きを示すものです。月の満ち欠けで地球に及ぼす具体的な例では、動物の繁殖期、成長期、などの生態活動に与える因果関係から考えても、月の満ち欠けの動きは、私たち人間を含めて、動物と植物の生命活動に影響を及ぼすと言えるのです。
お釈迦様は、古いインドの上流階級にいた、バラモン階級族たちが保持していた「天体の観測智恵」をそのまま生かされて、満月の日には、仕事や雑務を止めて、弟子達に休息日を設けられました。お釈迦様が、月の満ち欠けに、人間を含む動物と植物の生命活動に影響を及ぼすことを考慮されていたことを考慮すると、人も動物も「満月日はお休み」とすることが、生態活動、生命活動上、理にかなっているお考えのだと私は考えます。
さて、今年の10月は二度「満月日」が巡ってきます。今月二度目は、10月30日(金)です。興法精舎では通常通り「満月会」(第124講座目)を開催します。
予定する法話の内容は、「釈尊が示された、正しいカルマの解釈と、人の「苦しみ」の因果関係」につついてです。私が、好んで度々お話する内容です。自分の現状の苦しみへの解釈や、人と人との付き合い方の「見方」について、お釈迦様の教えを私なりに解釈解説です。聴聞の方の参考になればと思ってます。