高野山真言宗は、弘法大師空海によって、西暦816年、高野山(和歌山県)に開創された真言密教を伝える宗派です。
仏教の教えは様々な面から特徴を分類することで、多くの人々に合った教えを説いています。
お釈迦様や、他の如来、菩薩などが説かれた内容を、個々に分類したのが経典です。
それぞれには特徴があり、内容を異にすることが、数多の人々の手に取りやすいようになっています。古来日本では、仏教の教えを性格別に、六つから七つに大別して、寺院毎に修学できる場所を作りました。
それが、奈良の仏教寺院や高野山などの特徴であり、それぞれが後に独立することで、宗派となりました。
真言密教もまた同じく、お釈迦様や如来達の伝えた「覚りの内容」を分類した一つであります。その特徴ある性格の部分を「密教」として伝えています。その内容は、偉大なる修行僧である空海大師によって、唐から日本に伝わり、高野山が修行の中心地となりました。
一方で、お釈迦様や如来達が説かれた仏教の側面である「密教」とは、とても難しく、簡単に理解できるようなものではありません。その意味は高野山が深い紀伊山地の奥にあることからもうかがえるるところです。人が生きるテーマ、自分と向き合い、自分を修正し、輪廻解脱(成仏)を成し遂げるということはとても難しいことですし、その導きの教えは、大変難しいところにも値を見出すことができます。
お釈迦様さえも、何年も苦労され、激しい苦行をし、生きる苦しみをテーマに大変な苦労と修行をなさり、ようやく覚られました。そういった理由からも、私たち修行僧が覚悟を決めて、戒律ある生活をしながら山中に籠もり、必至に何年も何年も努力してこそ理解できる部分もあるというのが特徴です。
師弟関係を築き、いくつもの修行の段階を、丹念に慎重に、気が遠くなるほど繰り返し修行してわかっていく部分もあり、また、ごく普通に生活されている一般の方々向けに説かれた教えもあります。それらは、僧侶達によって伝えられ、僧侶達の個々の特徴や性格、その地域に即した形で布教が今でも行われております
仏法と大きく一つの教えを、様々な性格に分類した仏教。密教を知ることも仏教を知ることになります。日本にはいくつかの伝統的仏教宗派の教えがあります。それぞれに特徴があり素晴らしい教えがあります。
高野山には、偉大で尊い僧、大師空海が伝えられた偉大なる教え「密教」があり、今も覚りと輪廻の苦痛からの解脱を求め、生きる苦しみから自分を解決していきたい人々の修行の地、信仰の拠り所となり、伝え続けられています。
高野山真言宗 総本山金剛峯寺 公式ホームページはこちら
http://www.koyasan.or.jp/